兵庫高校山岳部

2017秋山合宿

行き先:堂満岳・武奈ヶ岳方面



Day1

秋山合宿は遭難(?)から始まった。
JR三ノ宮駅の西口に集合のはずが、僕だけ阪急神戸三宮の西口に来てしまったようだ。
夏山合宿の梅田駅以来のそうなんだ。街でも地形図かコンパスが使えればいいのにと思う。どうにか集合場所にたどり着いた。

大阪から先は、夏山合宿の帰りにサンダーバード号で通ったのと同じルートだった。
懐かしく思っているうちに遠くに大きな山脈が見えてきた。ほぼ同時に琵琶湖が見えたので、それが目指す比良山地だと分かった。
思っていたよりもずっと高く見え、少し不安になる。ザックの重量が20kgを超えているのも不安材料だ。

JR比良駅から1時間ほど一般の道を歩いてから登山道に入る。思ったほどキツくなさそうだ。
しかし、登山道に入るや否や、思いもよらぬ障害が現れた。台風による倒木である。
下をくぐるたびに90Lのザック(あるいはロールマット)が引っ掛かり、時間がかかる。
おまけに道がわかりにくくなっていて、数回登山道から外れてしまった。
ノタノホリまでに思いのほか時間と体力を消耗した。

さらに、ノタノホリでM先生がクマの足跡らしきものを見つけたらしい。怖くなったので、剣山で買った鈴をつけたが、コオロギの鳴き声ほども音が出ない。
予想外の事態の連続に疲労がたまる。周りの木々がスギから広葉樹へと変わるころ、急登にさしかかった。どっとペースが落ちるが、無理もない。
稜線まで登ると急に展望がよくなった。その後も倒木に邪魔されながら、最後の急登を上り、堂満岳に着いた。

堂満岳からは長々と樹林帯を歩く、意外と長いなと思っていると、急に視界が開け、キャンプ地の比良スキー場跡に着いた。

夕食はミルク鍋だった。鍋に水と乾燥野菜と固形スープの素を入れ、適当なタイミングでベーコンとスキムミルクを加えてぐつぐつ煮れば完成である。
今回僕は食糧計画を任せられていたので、成功するか心配だったが、案外おいしく好評だったので安心した。
ソルティーも米炊きに成功し、いい夕食になったと思う。

食後はみんな思い思いに時間を過ごした。星を見たり、写真をとったり、隣のテントでは恋バナ(?)をしていたようだ。

Day2

天気が良くない。予報では大きく崩れるそうだ。朝食はマカロニスープだったが、まだまだ改良が必要な味だった。
食後、天気が悪く、下山も倒木などで時間がかかると予想されることから、武奈ヶ岳には登らず、このまま下山することになった。
せっかくここまで来たので、比良山地の最高峰には登りたかったが、天気や皆の体調、登山道の状況からして、下山が最善策だった。

下山中も倒木は多く、途中何度か雨も降った。下山は正しい選択だったと思う。
山頂の目前で引き返すという経験はいつか間違いなく貴重な財産になるだろう。

雨もやみ、無事比良駅に下山できた。
比良駅から見る武奈ヶ岳は、紅葉と針葉樹のグラデーションが美しく、雄大だった。
ぜひリベンジしたい。そんな山だった。




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