2017夏山合宿 day1
行き先:立山
合宿初日。空は今にも降り出しそうな曇り空で、案の定駅に向かう途中で小雨がパラついた。本格的に降らなかったのは幸いではあるが、これはこれで癪にさわる。天パには厳しい天候だ。
駅に着くと、すでに1年生のリーダーが椅子に座っていた。
流石はリーダーを自称するだけあるのか、彼は自前のザックに全ての装備を入れていた。そう、全部である。サブザック未使用である。
これでは、サブザックに頼り過ぎて、むしろサブザックの方が重い私の立場が無いではないか。
私は自前の装備で身を固めた彼に敬意を表し、苦し紛れに課金ユーザーの称号を与えた。
リーダーとの距離感を測りかねていたところにボタンが現れた。やはり彼もサブザックを使用している。私は仲間意識を覚えた。
どうもボタンは合宿を前に緊張していたのか、定期的に変顔を披露してくれた。
あれを無意識でやるのだから、彼のポテンシャルは底知れない。
今更ながら全てを写真に残せなかったことが悔やまれるが、新開地での作品は撮れたので許してほしい。折りを見て公開したい。
夜行バスのターミナルで先輩からの差し入れを確認した。
中には私好みのお菓子と前部長からのお手紙が入っていた。
やはりカルパスはイイものだ。大半を私が食べてしまったことはそれとなく誤魔化しておいた。多分バレてない。
お手紙には先輩からの激励のメッセージが書かれていた。正直、ややスベりな感は否めなかったものの、不器用な文章からは先輩の優しさが伝わってきた。
私たちは意気込みを新たに、夜行バスに臨んだ。
夜行バスには初めて乗ったが、なんていうか普通だった。
思ってたより普通だった。
敢えていうならエアコンが寒かった。
実は割と楽しみにしていたお姉チャレンジ(隣に座ったお姉さんに持ち込んだジャーキーを渡して仲良くなる計画)も肝心のお姉さんが座らなかったことで空振りに終わり、私はおっさんのいびきを子守唄に目を閉じた。空調が身に沁みた。
文章:パカ兄
day2