2010年 夏山合宿
南アルプス 白峰三山縦走(北岳,間ノ岳,農鳥岳)
日程:7月30日(土)〜8月3日(火)
参加者:生徒4名(1年男子1名,2年女子1名,2年男子2名),顧問2名,OB2名
文責:64th Y.O.
本来なら7月31日出発の予定だったが、Hのスケジュールを考慮して日程を1日早めることとなった。
30日の夜に神戸駅に集合。3年生の先輩達が見送りにきてくれた。
流石、やってくれる。袋入りのスナック菓子を渡してきた。気持ちは嬉しいが、かさばる物を…。
急いで荷物を整理し、神戸を出た。
大阪駅からは夜行バスに乗った。
バスを待っている間ずっと案内係の名物(?)おじさんが気になって仕方なかった。
うまく言い表せない印象だった。
31日朝6時頃、甲府に到着。
ここで今回二人目のOB参加者であるY先輩と合流。無事にメンバーが揃った。
ここからさらに大型タクシーを利用して登山行動のスタート地点である広河原まで移動した。
が、このタクシー移動が夏山最初の試練であった。
広河原までクネクネ&凸凹の道が続き、しかも結構な勢いで登る登る。
到着予定時間に間に合わせようとして下さったということもあり仕方無かったものの、
現役メンバー及びY先輩が凄まじい車酔いに襲われてしまい、到着後しばらくは動くことすらできなかった…。
そんなこんなで広河原でやむなく休憩をとっていると、
帰りに利用するはずだった奈良田→身延のバスが、大雨による道路決壊で不通になっているという情報を現地の方が教えて下さった。
思わぬハプニングだったが計画を少し変更することで帰りのルートを確保することができた。
スタート前に知ることができたのは本当に幸運だったと思う。
9:05、現地の方にお礼を言って、
車酔いもなんとか回復したところでいよいよ出発した。
この日は北岳肩ノ小屋まで、垂直距離にして約1500mの急登。
広河原から緑豊かな大樺沢を進む。高山植物も多く見られた。
さらに登ってついに雪渓が現れる。
去年ほどではないがやっぱり真夏の雪はテンションが上がる。
後輩Yに至っては初めての体験に大はしゃぎ…でもなかった。
雪渓に着いた頃にはすでに疲労の差が出ていて、
僕やOBの先輩が先行し、H・F・後輩Yが後続するような感じで分かれてしまっていた。
何とか無事に雪渓を登り切って、11:38二俣に到着。
行動食を食べエネルギーを補給した。昼食を終え12:00出発。
2000mを軽く超えているのに相変わらず緑が豊富な道だ。
北岳の尾根へ出る道をひたすら登った。
14:58、やっとの思いで肩ノ小屋に到着。人の多さと賑わいに驚く。
標高は既に3000m。
みんなグッタリしながらもしばらく歩き回ってようやくテント場を確保できた。
自分達はもちろん炊事。
ここでは水は1?100円で買うか、水場まで汲みに行かなければならない。
ここで事件は起きた…。
ちょっと頑張って汲みに行けば無料で済むということで、
僕とHの二人でポリタンクを持って水場まで下ろうとしたのだが、
かなり遠かった。
ようやく水を汲み、さぁ帰ろうという所だった。
うっかりポリタンクから手を放してしまった。
ポリタンクは加速してどんどん転がると谷底の見えない所まで落ちてしまった。
この夏山1番の大失態だった。
結局水は上で汲むことになり、ポリタンクは空になったペットボトルで代用した。
僕とHは申し訳ない気持ちで一杯だった…。
夕食のちらし寿司とポテトサラダは無事にできあがり、夕食をとった。
19:30就寝。
8月1日4:00起床。朝日が綺麗だった。
しかし残念なことにFが高山病による体調不良を起こしていた。
これ以上の登山は断念せざるを得ず、顧問のK先生と一緒に下山することとなった。悔しかったが仕方なかった。
6:33、分岐で別れて、僕達は北岳へ向かった。
尾根から周りを見渡すと、南アルプスの山々が連なる素晴らしい景色。
7:05、ついに北岳登頂!ここもたくさんの登山客で賑わっていた。
僕達も写真を撮ったり、メールを送ったりした。
スナック菓子の袋は気圧差でパンパンになり今にもはち切れそうだった。
しばらく日本第2位(3192m)の高峰登頂の喜びを噛みしめた。
7:33、間ノ岳へ出発。一気に人が減った。
北岳山荘までは300m程の下り。そこから間ノ岳への登りが始まる。
距離が長くアップダウンもそこそこあった。
粘り強く進んで10:26、間ノ岳(3189m)登頂!
しかし何故か僕だけ異様に息があがっていた。
計画ではここから一度熊ノ平小屋へ向かいそこで1泊する予定だったが、
午後から雨が降る可能性が高いことを考えて、農鳥小屋まで直進して幕営することになった。
12:13、農鳥小屋に到着し特に問題なく1日を終えた。
8月2日3:00起床。西農鳥岳までの登りは今回一番険しいポイントだった。
そして農鳥岳(3025m)登頂!下りの景色がまた格別。
つくづく天気に恵まれたと思った。
が、景色を楽しんでいられたのは大門沢まで。ここからひたすら下る。
1日目登ったぐらいの高低差である。
泊まる予定だった大門沢小屋で一旦休憩しまた下る。
高山の植生は薄れ、樹林に入っていた。
登山行程も(体力も)いよいよ大詰めというところで、吊り橋3連続が待っていた。
結構揺れたがこれは逆に楽しかった。
奈良田第一発電所停留所に着き、12:39登山行程終了!
ダッシュの甲斐あって1時間の余裕があった。
バスに揺られて広河原に到着。ここで1泊することになった。
この日の夕食は焼きビーフンを作り、皆とジュースで乾杯した。
あとは帰るだけ。ぐっすり眠れた。
8月3日は広河原からタクシーで東花輪駅まで。
行きに同じくY先輩と後輩Yは酔った。
電車の中でUNOをしつつ、静岡駅で新幹線に乗り換え、16:00無事神戸に戻って来ることができた。
今回の夏山合宿では南アルプスの自然を大いに満喫できたと思う。
トラブル、ハプニングもあったが、そこで落ち込むのではなく次にどう行動するかでその先の結果が変わるのだと感じた。
また今回は顧問の先生方、OBの先輩お二人に大変助けられました。
僕達だけでは今回の困難を切り抜けるのは難しかったと思います。
今後もトレーニングを積んで体力をつけ、さらに登山を楽しめるように頑張っていきたいと思いました。
ありがとうございました。