夏山合宿in剱岳
日 程:7月31日〜8月3日
行 程:室堂〜雷鳥沢〜剱沢〜一服剱〜剱沢〜雷鳥沢〜室堂
参加者:66thのMとT、顧問2人
作成:66th M
7月31日の晩、僕たちは三宮駅に集合した。
今回は参加者が2人だったので荷物の重さがすごかった(25kgぐらいだった)。OBと三年生やもう一人の顧問のI先生、去年まで顧問だったN先生も見送りに来てくれた。僕は差し入れのアイスを2本も食べてしまっておなかを壊すところだった。
OBや三年生からのかさ張るスナック菓子などの差し入れを受けとり、ザックにそれを縛り付けて出発した。
大阪駅で「北陸ドリーム大阪1号」という夜行バスに乗った。
去年の合宿は4列シートだったが、今年は3列だったので快適だった。9時間ほどうつらうつらしているとそこは富山駅だった。7:00だった。
だがそこで、ある深刻な事態に気づいた。実は、その日の晩ごはんは親子丼で、卵を使うことになっていたのだが、完璧に包んでいた(と、思っていた)
卵が3個も割れていた……(かなりショックだった……)。急きょメニューをカレーに変更して、駅前のコンビニでカレールーを買った。
しかし、それ以外は特に問題もなく、7:40に室堂行きのバスに乗った。
途中、日本一の称名滝やとてもでかい杉の木を見た。立山有料道路の通行料が5万円と書いてあって、びっくりした。
そして一気に標高2450mの室堂に到着した。
バスを降りると、気温が20度だった。天気は○(快晴)で、涼しかった。
高いところに来たんだなあと思って、テンションがあがって卵が割れたショックも忘れてしまった。
室堂で準備をして、11:00に出発した。
歩き初めは、観光客ばかりで“登山”という感じではなかったが、雷鳥荘まで来ると、登山客が多くなってきた。ただ、地獄谷から流れてくる硫化水素がかなり臭かった。
雷鳥坂は、高山病にならないように、とにかくゆっくり登った。その分だいぶ楽だった。
雲行きが怪しくなってきたものの、2:00頃に別山コルに到着した。
トイレはチップ制だった。チップ制のトイレは1年ぶりだったので、なんだか懐かしかった。
↓別山コル
途中のプチ雪渓で誰かが滑ってしまったが、3:00頃に無事剱沢キャンプ場に到着した。
ただ携帯の電波が届かない所だったのが残念であった。
幕営は2人だったので大変だったが、何とか立てられた。
そして調理を始めた。
ここで、室堂からずっと忘れていた卵のことを思い出して、恐る恐る卵の箱を開けてみた。
しかし、驚いたことに朝割れていた3個以外は割れていなかった。
全滅するだろうと思っていた卵が7個も余ったので、わかめスープに入れてみることにした。
卵がたくましく頑張ってくれたのを見てうれしくなった。
しかし、ここでハプニングが起こった。
毎回、カレーを作るときは、カレールーが溶けやすいようにルーをナイフで刻んでから入れることになっている。その時は、僕がルーを刻んでいた。
しかし勢い余って自分の指まで切ってしまった。料理をしているとよくあることだが、僕はあたふたしてしまっていた。応急処置はしたが、念のため僕は山岳救助隊の人に観てもらいにいった。山岳救助隊の人はとても親切でかっこよかった。
僕が戻るころには晩ごはんが出来上がっていた。カレーと卵入りわかめスープだった。去年の夏山合宿の反省を生かして、工夫して炊いたご飯がかなりおいしかったし、卵入りわかめスープは、卵のおかげで普段よりずっとおいしかった。
↓剱沢キャンプ場。中央の山が剱岳。
晩ごはんが終わるとだんだん暗くなってきた。片づけはH先生が手伝ってくださったおかげで一瞬で終わってしまった。そして19:30頃に就寝。
ただ、僕はテントではあまり眠れない人なので、やはりうつらうつらしていた。
「もうすぐ起床か」と思っていたときTがなぜかブルブル震えていた……
8月2日3:00起床。ここでTが体調不良を訴えた。
少し熱があったので剱岳登頂は諦めて、Tにはしばらく休んでもらった。K先生にはTを観てもらった。
とりあえず、ラーメンを作った。水の量が少なくて、パスタのようになってしまった。少し、まずかった。
Tに休んでもらっている間に僕はH先生と一服剱まで行ってみた。
4:25にキャンプ場を出た。途中の雪渓は少しおっかなかった。
歩いていると朝日が出てきて、いっしょに目の前に
雷鳥も出てきてびっくりした。こんなところで会えるとは思ってなかった。
雷鳥を見るのは1年ぶりだったので、可愛かった。
↓
雷鳥と
日の出
剱前山荘で一服して、2つの鎖場を超えて、6:00に一服剱に到着した。
前剱が目の前にそびえ立っていて、なかなかの迫力だった。
↓前剱
前剱で20分ほど休んで、剱前荘に戻った。
6:55だった。
↓途中の雪渓
テント場に向かっていると、重そうなザックを背負って全速力で剱岳のほうに走っていくすごい人とすれ違った。
(後で聞いた話だが、前剱の鎖場で事故があったそうで、そしてその人は山岳救助隊の人だったらしい。)
途中の剱沢小屋で休憩した。
ついでに自分のお土産の手ぬぐいを買った。
しばらくすると、小屋に物資を運びにヘリコプターが飛んできた。間近で見るヘリコプターはかなり迫力があった。
↓ヘリコプター。荷物はほとんどお酒だった。
8:20、テント場につくとTの調子はだいぶ良くなっていて、熱も引いていた。しばらくして記念写真を撮った。
その後、雪渓で冷やしておいたファンタを飲んだ。やっぱり山の上の炭酸飲料はおいしい。
10:00ごろ、ゆるゆると撤収をして、出発の準備を始めた。Tのことを考えて、Tの荷物をH先生が持ってくださることになった。
11:00、出発。Tは元気にずんずん登って行った。
朝の体調不良はどこへ行ってしまったのだろうか?
そして14:35、特に問題もなく雷鳥沢キャンプ場についた。さっそくテントを立てた。地面が硬くてペグが打ち込みにくかったが、力任せに打ち込んだ。
(しかしこれが、後で災難を生んでしまった。まあそれは後述するとして……。)そしてそのあと夕食を作った。パスタはとても簡単だった。15分ぐらいでできてしまった。しかもすごくおいしかった。
夕食の後、温泉に入った。とても気持ち良かったし、温泉からの景色もきれいだった。
あと、お風呂上がりのアイスはとてもおいしかった。
↓夕暮れ時の雷鳥沢
次の日は室堂まで1時間歩くだけだったので、9時ぐらいまで遊んだ。そして寝た。珍しく僕はぐっすり眠ることができた。
8月3日、5:00起床。にゅうめんを食べて撤収にかかる。
しかし、ここで試練が立ちふさがる。
ペグが抜けないのだ!昨日力任せに打ち込んだのがいけなかった。12本抜くのに30分ぐらいかかった。救出されたペグの中には力任せに抜いたがために曲がってしまったのもあった。
ばたばたと出発準備をして、6:45に出発した。また地獄谷の硫化水素が臭かったが、7:25に室堂について、8:00のバスで室堂を去った。
バスの中で、雷鳥を見つけた。(TV越しに)
美女平という所でケーブルカーに乗りかえた。
僕は生まれて初めて乗ったので、テンションが高くなった。
立山駅で富山地方電鉄という超ローカル鉄道に乗り換えて、JR富山駅でお土産を買いあさり、16:30には神戸に到着した。
今回の合宿は、怪我をしたり風邪をひいたりといろいろ反省するところがあったけど、去年の夏山合宿と比べると、のんびりできてある意味登山の楽しみをぞんぶんに味わえたのがよかった。
今回のように、余裕をもって登山をするのも大切だということがわかってよかった。
兵庫県立兵庫高等学校山岳部