夏山合宿2016
day1
朝の6時半、三宮に集合のため、始発電車に乗ったら一番乗りであった。しばらくするとまんちゃんが来た。新しい帽子を被っている。とても似合っていいかんじである。三宮に先輩達が来てくれてとても嬉しかった。先輩はお菓子の差し入れまでくれた。
大阪からバスを乗り継いで上高地へ。上高地はとても観光地だった。でも、トイレは山仕様で100円必要だった。一日目の幕営地、小梨平キャンプ場に到着。
テントを張る場所を決めた。が、「トーマスさんのテント」という札が付いたテントを取り囲む感じになってしまった。
「まあ、トーマスさんと仲良くなったらええやん。」
結局一度もトーマスさんには会わなかった気がする。
この日の夜ご飯は豚汁。@お湯を沸かして、A干し人参、干しごぼう、干しじゃがを投入して、Bさくぞーが作ってきてくれた肉を挟んだ味噌を投入。豚汁の出来上がり!
ウッディとくわちゃん曰く「最強に固いじゃがいもがあった」とのこと。その後さくぞーも「じゃがいもの真の固さを知った」と言っていた。そんな固いじゃがいもは2分の1に折りたたみながら食べていくといいらしい。固いじゃがいものプロフェッショナルとなったウッディとくわちゃんが言っていた。
食べ終わって、調理シートを片付けようとしたら、調理シートの裏に土がついていた。
「日頃の鬱憤を晴らすべく叩くんや!」
さくぞーはものすごい力でばしばしと叩いていた。
キャンプ場にはてるてる坊主があった。晴れを願って触ってはみたが、なんともあまり可愛くないてるてるであった。大きさが可愛くなかった。布で作られた巨大サイズなのだ。むしろ少々怖かった。
day2
4時半に起きて、テントの中で持ってきたパンと先輩からの差し入れの野菜ジュースを飲んだ。
6時、いよいよ出発である。今日の目的地は涸沢。木々の間から、光が差し込んでとても綺麗だった。40分ほど歩いて明神についた。15分ほど休憩を取り、50分ほど歩いて徳沢に着いた。徳沢は芝生のテン場でふかふかしていて気持ちよさそうだったけれど、混み混みだった。ソフトクリームを食べている人を見て、すごく羨ましかった。ああソフトクリームが食べたい。
次は横尾を目指す。1時間ちょっと歩いて横尾に着いた。横尾のトイレは水洗でなかったが全然臭わなかった。
横尾大橋を渡る。はじめは橋の上で人とすれ違えるように端を歩いていたが、吊橋のためゆらゆらゆらゆら横揺れがひどくふらふらして落ちそうだったので、結局は真ん中を歩いた。横尾まではありえないくらい整備されたもはや登山道でもない平坦な道であったが、ここからは登山道らしい道になってきた。1時間ほど歩いて本谷橋を渡る。本谷橋は横尾大橋ほど大きくないので横尾大橋より磨きをかけて揺れる揺れる。16人でその橋をぞろぞろ渡ると揺れすぎて橋が落ちるのではないかと気が気でなかった。なんとか橋は落ちなかった。こんなに揺れる橋は人生初である。
本谷橋を渡ったところで休憩。川の水を触ってみるととても冷たくて気持ち良かった。
本谷橋からは結構な登りだったので汗をかくくらい暑かった。ここからが頑張りどころである。肩が痛いナアと思いながらゆっくりゆっくり登って行ったら、見よ、あそこに見えるのは涸沢ヒュッテではないか。
しかし、「涸沢が見えたからって絶対ペースあげたらあかんで。そっから長いから。」と先生に重々釘を刺されていたので、そんなにもうすぐや!とは思わなかった。「もうすぐ」と思っていなかったので、思っていたより早く涸沢に着いた。涸沢に着いたら、最後尾にいたしらたきがテン場探しのために先頭に来た。そして先生にゆっくり歩かずずんずん進んでいいというお許しをもらって、走るように羽でも生えてるのかという速さでずんずん遠ざかっていった。
涸沢に6テンを張れるような大きなスペースは少なく、テン場探しは結構時間がかかった。近くにテントを張っていたおじちゃん達が500円でベニヤ板が借りれるということを教えてくれた。「有るのと無いのとでは天国と地獄よ」ということらしいので、借りることにした。ベニア板を敷いてころんと寝転んでみると、快適!!先生はベニア板の上でごろごろしてくつろぎ倒していた。
2日目の夜ご飯はパスタ。2班に分かれて作ることになった。お湯を沸かしてパスタを投入。くわちゃんもムニエルもパスタがブワッと広がるあの入れ方を成功させた。パスタのゆで汁でソースを温めて完成。涸沢にはハチみたいなハエが大量にいて愚かにもパスタの鍋に自ら突っ込んで息絶えているものがいた。やめてよ。その鍋のパスタももちろんおいしく頂いた。
ご飯のあとは、ゴミじゃんけんである。負けたのはムニエルであった。向こうのグループで負けたのはポリデント3世であったようだ。ポリデント3世はムニエルとじゃんけんをして負けたほうがどっちも持つという賭けに出ようとしていたが、結局はどうしたのだろうか。
ヒュッテの方に歯磨きなどしに行くと、デオキシリボ核さんと漆黒の星月夜がヒュッテに行く道の途中でうろうろしていた。売店の場所をまさに聞いたところ「あっち」と教えられ、その方向に行っても何もなかったらしい。「売店ならもうちょい上のヒュッテのとこやで」
ということでヒュッテまで行くと、すでに売店は閉まっていた。すごく気の毒であった。
歯磨きを済ませてから、テラスのような所に座ってしばらくなぎちゃんとさくぞーとぺちゃくちゃ話をした。
横尾のトイレは臭わなかったのに、涸沢ヒュッテのトイレは臭すぎて服にまで臭いが染み付いた感じだった。うげっ。涸沢ヒュッテからの夕暮れの景色がとても綺麗だったので写真をとってテントに帰って寝た。
day3
夜はα米を食べる夢を見た。この日の朝食はα米。まさにまさゆめ。ちなみに、さくぞーはまさが家に来る夢を見たらしい。まさのゆめ。まさゆめ。
ご飯を食べたらテントは撤収せずサブザックで出発。目指すは奥穂高岳山頂!
軽い荷物に浮かれてハイペースで登っていたらしい。先生が「わし帰ろかなと思った。」と言っていた。改めてゆっくりと歩き出した。はじめは石がごろごろした所を登っていくだけだったが、ザイテングラートというところは岩登りである。途中でぼたんちゃんが
「日焼け止めが眉毛にたまる」
と謎なことを言っていた。
鬱陶しいことに昨日パスタの鍋に飛び込んできたハチハエ虫だらけである。(さくぞーはこれをマルハチと命名した)もう本当にこの虫の鬱陶しさたるや筆舌尽くしがたい。黒、黄色、黄緑、白が狙われた。頭から袖の先まで黄緑であったムニエルはさぞ虫から人気であっただろう。ムニエルほど黄緑でなかったぼたんちゃんも何故か大人気だった。私の黒い帽子も大人気だった。くわちゃんは虫よけリングをしていたが全く効果がなかったらしく
「虫よけリングじゃなくて虫よせリングじゃない?」という会話が聞こえてきた。
ザイテングラートはとりあえず虫が辛かった。何とか穂高岳山荘にたどり着いた。
先生に2年だけ集められた。話し合いの結果、時間的に奥穂高岳の山頂を踏むのは厳しいかもしれないということで、隣の涸沢岳に登ることにした。奥穂高岳の山頂を踏めないことが残念で私は結構むすっとしていたようだ。
気を取り直して涸沢岳に登る。穂高岳山荘から20分ほどで山頂についた。登ってきた方の反対側の面は結構切り立っている。足がすくむ人続出の中のむさんは全然平気という感じで、それを見ている周りの方が怖かった。ウッディはもう動きたくないという一心で「今日はここに泊まります」と言い出した。涸沢岳の頂上からは、とても綺麗に笠ヶ岳が見えた。
下山してみたら奥穂高岳に登らなかった選択は正しかったな。という時間だった。テン場でテント撤収に取りかかっていると、神戸市北区に住んでいるという人に会ってまさはとても嬉しそうにしていた。
横尾を目指して出発しようかという時に結構な雨が降りだした。嫌々ながらレインコートを着たらすぐに止み、何やねんと思わざるを得なかった。半日間サブザックで生活したので、メインザックが重く感じられてしょうがない。体にかかる重力を感じながらゆっくりと下山していった。また雨が降ってきたりして大層腹立たしい。雨は嫌いである。本谷橋まで降りてきた。梓川は雨が降っても濁っておらず綺麗だった。
涸沢?本谷橋より本谷橋?横尾の方が距離が長いという標識に、はあ…という気分になりながらも歩いて、やっと横尾にたどり着いた。徳沢まで歩いて徳沢で泊まるという案もあったが横尾で泊まることになった。テントを張る場所を決めていると、ものすごい雨が降ってきた。ゲリラ豪雨である。テントが濡れてしまう!!それはごめんだ!ということでものすごく急いでテントを建てたけれどフライはいきなりテント本体にくっついている。みんなで急いで5個のテントの形はつくったものの、下を見ればテントの下は水たまりが形成されているではないか。ぎょえ!テントのお引越し開始。6テンの中にはすでに考えられないほどの水が溜まっていたのでテントの下のゴミ出し用の穴から水を出すと水道より遥かに強い勢いで水がばしゃばしゃ出てきた。レインコートを上しか着ていなかった私はズボンが濡れすぎて、もはや吹っ切れてアドレナリン大放出で妙なテンションである。さくぞーが水たまりの上でばっしゃーんと水しぶきを上げながらジャンプしたのを見て、無性にやってみたくなり私も水たまりの上で跳ねてみたら更にぬれて冷たくなって、やっちまったと思ったのであった。
雨で料理ができないので、この日は非常食で食いつなぎ、もう寝るということになった。そこへ、テント泊の受付に行っていたしらたきが魅力的な情報を持ってきた。「小屋でカップヌードル売ってたで」
カップヌードル!温かいラーメン!食べたい。食べたすぎる。というか、それさえ食べれたらあとはどうなってもいい、くらいの気分だった。なぎちゃんはしらたきに「無料ですか!」と聞いていたが、もちろん無料ではなく400円だった。でもいい。ということで、女子3人は計画を立てた。@テントに入って濡れてない服に着替えるA傘をさして小屋に行きラーメンを食べるB寝る
よし!この作戦で行こう。着替えながらさくぞーが言った。
「うちは今、神様に何をお願いしてるでしょうか!」
「えっと、カップヌードルが売り切れてませんように!」
なぎちゃんが1発で当てた。乾いた服に着替え、温かいラーメンを食べた。至福。カップヌードルをこんなに美味しいと思うことは一生のうちでもうないかもしれない。断言できる。私達はこの時、確実にカップヌードルのために生きていた。
テントに帰って寝る準備。なぎちゃんのシュラフとエアマットは濡れてしまってご臨終だったので、3人で2つのエアマットとシュラフをシェアして寝た。くっついて寝たので寒くはなかった。怒濤の3日目が終わる。
day4
3時起床、雨が止んでいる。今日の朝食は棒ラーメンである。ただの棒ラーメンではない。進化形である。@湯を沸かすA棒ラーメンを茹でるBワンタン投入Cたまごスープ投入、これで完成である。見た目はワンタン麺。卵まで入っているのでおいしそう。実際に食べての感想は、しょっぱい。棒ラーメンの粉末スープ+たまごスープが入っているのだ。しょっぱくない訳がない。みんな朝から塩分にやられた。明日から減塩しよう。
片付けはコッフェルをうまく重ねるのにだいぶてこずった。
「持ち手が似てるやつどうしが家族やねん」
「3世代家族のやつも核家族のやつもある」(3つセットのコッフェルも2つセットのコッフェルもある、という意味)
「3世代もあるんですか!?」
「現代の社会を表してますね。」
最後のはなぎちゃんの一言。ただのコッフェルの話がなんか深くなった。
テントを撤収してパッキング。
まさのめがねが無くなった、という話が聞こえてきた。みんなで一通り探したが見つからなかったので、諦めて出発かと思いきや…デオキシリボ核さんがなにか持っている。まさのめがねを見つけたらしい。素晴らしいハッピーエンド!デオキシリボ核さんが神々しく見えた。
上高地に向けて出発。今日歩く道のりは整備された平坦な道であるが距離は11kmある。いや、距離よりザックが問題である。雨をたっぷり吸収したザックは確実に重量を蓄え、かなりずっしりした物へと変化を遂げている。1日目にはもう少し軽く持ち上げられた荷物だったが、今日持ち上げようとしたら思わず「んぐぅ」という謎のうめき声が出てしまう。しかもなんか臭うのだ。雨に濡れるのは、よろしくない。
重く臭くなったザックを背負って、てくてくというかよたよた歩く。徳沢と明神で休憩を挟んで上高地に辿り着いた。はて、この前上高地を出発したのは何日前であったかな、という気分。お風呂に入るため上高地アルペンホテルへ向かう途中、河童橋を渡る。河童橋にはちょっとした階段があってそれを登るとき、「ヴっ…」筋肉が…!!たった5段ほどの階段に一同悶絶。
濡れた靴下で歩いたせいで足の裏にはマメっぽいものも出現している。
考えてみればここ3日、よく歩いたものだ。
アルペンホテルに着いた。お風呂!待ち望んだお風呂!毎回合宿のたびに、お風呂のありがたさを知る。気持ちいいぃぃ…
暑くなってきても水のシャワーを浴びたりしてできるだけ長く入った。幸せである。お風呂から上がると脱衣所にはドライヤーまであった。3.4日間文明から離れていた私達にはとてもすごいものに思えた。
やっと綺麗になったものの、嫌なことがあたまをよぎる。登山靴びちょびちょや…履きたくない。と思っているとさくぞーがとっても素晴らしき案を思いついた。
「ビニール袋履いてから靴履く?」
この作戦で行くことにした。ものすごく快適である。靴下が濡れていない幸せ。後ほど、このビニール袋作戦を先生に自慢すると「あっ!ちょっとビニール見えてるし。だっさ!」と笑われた。
集合時間までお土産を見たり、ソフトクリームなど食べたりした。
集合時間になり、バスが来た。上高地ともお別れである。上高地?平湯温泉までのバスでは隣のさくぞーとなぎちゃんとともにぐうぐう寝た。平湯温泉?高山までのバスでも隣のムニエルに迷惑をかけるくらいぐうぐう寝た。
高山には予定よりだいぶ早くついたので、2時間近く自由行動になった。なぎちゃんとさくぞーと共にお昼ごはんの蕎麦を食べた。蕎麦屋のおばちゃんは消費税をまけてくれた。先生は夜のカップヌードル、朝の棒ラーメンに続き3食目のラーメンとして高山ラーメンを食べると言っていたが、結局は限定8食の飛騨牛のハンバーグステーキを1000円で食べたらしい。高山の街にはさるぼぼがいっぱいいてかわいかった。
バスの時間となり、いよいよ大阪へ向かうバスに乗車。バスに乗ってる間、ものすごくきつい雨が降っていたり、雷がぴかぴかしていたりしたけれど、バスに乗っている今の私達は無敵である。
とても綺麗な夕焼けも見れた。
大阪に帰ってきた時には、もうすっかり夜になっていた。大阪駅で解散して私達はそれぞれの帰路についたのであった。
私達2年にとっては最後の夏山合宿が終わった。合宿はやっぱりとても楽しい。雨に降られてテントの中がびしょびしょの時はものすごく嫌?な気分になったけれど、雨があったからこそ強烈に思い出に残る合宿になったような気もする。
とにかく、みんなで山に登って泊まってご飯をつくって一緒に過ごしたら楽しいのだ。
楽しい時間を過ごせたこと、みんなが大きな怪我なく帰ってこれたことに感謝します。
文章:むーさん