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山岳部誌2008夏山合宿


兵庫県立兵庫高校 山岳部

独自の感想の混じる夏山合宿報告
 前の晩から夜行バスで移動。6:50頃、室堂ターミナル(標高2400m)に到着。アルプスとは思えないほどの快晴に、気分は高まるばかりであった。
 建物を出たところで各自朝食。気温は高原らしくすがすがしい。準備体操をし、7:10出発。
 8:20、雷鳥沢キャンプ場で一旦休憩。部員6人中、4人に軽い高山病の症状が見られたが、やたらと元気な部員もいた。これが「逆高山病」というモノだろうか。(笑)
 8:35,ここから一気に500mの標高差を登る。懸命に登る者、元気よく登る者、けっこう差が見られた。ふと後ろを見ると今まで登ってきたクリアな室堂周辺の景色が広がっていて、存分に満喫しながらの気持ち良い道中だった。また、運良く雷鳥を目にした部員もいた。
 10:00、剣御前小屋(2750m)につきメインザックを置き、空身で剣御前(2777m)までピストン。一面山の峰峰が連なり、アルプスに来た感覚がしてきた。谷間にはそこそこ大きな設計が見え涼しげだった。30分ほど進み、剣御前に着き少し休憩。剣岳の山頂の剣のような鋭さ、ずっしりとした姿を見てただ驚いた。期待と不安が一層高まった。
 11:55、剣御前小屋に戻り、各自昼食。メインザックを担ぎ直し、上から見ていた谷間を下る。途中、足場が石で滑りやすく苦労した。また雪渓も渡るときかなりすべり、膝にかなりの負担がかかった。そうこうして、幕営地剣沢キャンプ場(2530m)に12:55到着。
 テントを立て、余力のある三人と顧問で前剣(2813m)へ。往復三時間半の道のりだったが、今までに体験したことのない登山に絶句した。
 まず「道」じゃない。言ってみれば「崖」。普段立ち上がって歩く登山ではなく、這い上がって進むような行程。そして標高差。下を見れば足がすくむ程の高度感を感じた。すごく精神的に疲れた。あまりの緊張感に、途中の記憶がない。何とか15:15、前剣にはたどり着いたが、そこから目の前にずっしりとそびえたつ剣岳には言葉を失った。
 そして意を決し下りへ。実は登りの方が楽で、下りは恐ろしく怖い。顧問の先生は危険だからとか言って先頭に立ったが早すぎてついて行けず、結局自分たちが先導することに。明日、この調子で大丈夫なのだろうかと思いながらも緊張感を持ってくだった。キャンプ場に着いたときには精神的にくたくただった。
 その後夕飯を作り、18:00前に夕食。この日のメニューは、前に作って好評だった焼きビーフン。味付けも不要で簡単にできる割においしい代物。楽しい晩餐だった。
 夜。やはり高山、そして谷間であることもあって、けっこう寒かった。だが空気が透き通っていて、外から見る夕日は綺麗だった。20:30までUNOをし、さすがに疲れていたのか30分ほどして就寝。明日待ち受ける、さらなる恐怖を知るよしもなく眠りについた。

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