画像1 画像2 画像3 画像4 画像5 画像6 画像7 画像8 画像9 画像10 画像11 画像12

山岳部誌2011夏山合宿


夏山合宿(北アルプス・野口五郎岳、笠ヶ岳)

日程:7月29日〜8月2日
行程:三宮〜新大阪〜信濃大町〜高瀬ダム〜烏帽子小屋〜野口五郎岳〜水晶小屋〜水俣山荘〜弓折岳〜笠ヶ岳〜新穂高温泉〜高山〜新大阪〜神戸市内
参加者:生徒4名(二年生男子2名、一年男子2名)、顧問2名、OB1名
重量:1人あたり約20キロ
費用:1人あたり約22、000円


 7月29日の晩、巨大なザックを担いで僕たちは三宮駅に集合した。先輩方ともう1人の顧問の先生が見送りに来て下さり、アイスとお菓子が差し入れされた。 毎年の恒例となったが実に有り難い。そうこうするうちに時間が来たので先輩方に別れを告げ、お菓子をOBの先輩に押しつけ、新快速電車に乗った。30分程度で新大阪に着き、 そこから信濃大町に向かう夜行バスに乗った。これで都会とは暫くお別れだ。
 30日、信濃大町に到着。天気は残念ながら雨。そこからタクシーで登山行動開始地点の高瀬ダムへ向かう。しかし、今回その途中でスーパーに寄ることになった。 というのは、行きの夜行バスの中で僕が米を忘れたことに気づき、その代わりとなるパック式のご飯を買う必要が有ったためだ。 買うことができたから良かった物の本当に申し訳ない。
 高瀬ダムに着くと、まずトンネルには行って雨具の準備をした。いきなりトンネルの照明が切れてびびったが、朝食と準備運動を済ませ、6:45、いよいよ登山に出発だ。 この日の行程は距離こそないが、ブナ立て尾根は高低差約1400メートルの急登だった。長い登りが続き、更に雨天であるためかなり苦しい登山となった。 途中四回の休憩があったが、三回目の休憩の辺りからTが遅れ始めたので他のメンバーが先行し、TはK先生とゆっくり登ることになった。
 11:20、先行隊がゴールの烏帽子小屋に到着!Tたちは12:00に到着した。烏帽子小屋はイワギキョウ等の高山植物が綺麗だった。 小屋で休み、雨が弱まってから幕営をした。幕営完了後、すぐにテント内でお湯を沸かし、暖を取る。ココアとパンで沈んでいた気分が晴れた。それと共に空にも晴れ間が見られるようになり、 壮大な山の景色が姿を現して皆大興奮。ハイになって裸でTシャツを振り回す者も現れる始末だ。
 天気が良くなったところで、時間もあったので予定にはなかったが烏帽子岳に登ることになった。14:44、先生達は残り、OBの先輩と現役部員で烏帽子岳の頂きを目指す。荷物なしだったので、 道のりは楽々だった。最後に鎖場があり、なかなか怖かったが、全員頂上を踏んだ。16:10にキャンプ場に戻り、炊事を始めた。この日のメニューはビーフンと酢の物だったが僕が懲りずに今度は ポン酢を忘れたことに気づき、酢の物はわかめのマヨネーズ和えとなった。意外と美味しかった。夕食を終え、この日は18:20に就寝。
 31日、3:20起床。雨模様なのでテント内で朝食を済ました。テントを撤収し、6:00に烏帽子庫やキャンプ場を出発。出発直後は晴れていたが稜線を進むうちに曇ってきて、何度か雨となった。 とはいえ、流石日本アルプスの山上でさわやかな気分で歩くことができた。途中、雷鳥と出会い、テンションも上がる中、9:05、野口五郎岳登頂!1つの目標の山を越えた。
 しかし、ここからであった。思えば先輩方がくれたお菓子の袋が破裂したのが前兆だったのかもしれない。東沢コルを越えてカラの岩場の道で急に雨が強くなった。 なぜこのタイミングでと思っていると、雷も鳴り出し、僕たちは途中の水晶小屋に逃げ込んだ。雨はなかなかやまず、1時間ほどしてやっと弱まったので出発した。 だが、地獄はまだまだ続く。ワリモ乗越からの下り道を下りきり、黒部源流を経て、この日のゴールである水俣山荘キャンプ地まで跡もうすっこしとなったとき、 また雨脚が強くなった。道には水があふれまるで沢登りをしているようだった。
 14:20、何とか水俣山荘に到着。しかし、雨が強いためテント泊は中止となり、山小屋泊することになった。正直、僕たちは暖かかい布団で寝られるので喜んだ。 混雑する山小屋の中、干し物を干し、炊事に取りかかった。この日の夕食のカレーは、本当に美味しかった。そのあと、荷物を整理して暖かい布団に入った。就寝は20:00頃。
 8月1日、3:00にHとMだけが起床。残り2人の部員は二度寝した。朝食を食べ、準備をして5:27に水俣山荘を出発。天気は良く、遠く槍ヶ岳を望むことができた。 晴天の中、カールとなった道を歩き、7:56、双六小屋に到着。ここで残念ながら、OBの先輩が足の調子が悪くなったため、下山することになった。 持って頂いていた共同装備を受取り、一時間半ほど進んだ分岐点で分かれた。本当に残念だった。あとで聞くと、足は全治一週間の怪我だったそうだ。
 先輩と別れた後、弓折岳を通過するとかなりきつい登が待っていた。登山行動3日目という事もあり、部員全員がかなり苦しそうだった。 ただ幸運にも、道中、ほとんど雨が降らなかったのでそれ以上に登山を楽しめた。秩父平からの最後の急登を登り、笠新道の分岐で休憩。そして一時間ほど、稜線を歩き、 13:57、ついに最後の宿泊場となる笠が岳山荘のキャンプ場にたどり着いた。キャンプ場は山小屋から離れていてトイレには不便であったが、水場は近かった。 着いた当初は雨が降っていたが暫くするとやんできたので、テントを張り、笠ヶ岳を登ることになった。石がごろごろとした道を上って山小屋まで行くと天気が急に良くなり、目標の笠ヶ岳が姿を現した。 その後、もう少し岩の道を進んで、16:17、ついに最終目標の笠ヶ岳登頂!あいにく天気は曇ってしまったが、全員で喜びをかみしめ、記念の写真を撮った。その後、テントに戻り夕食を食べた。 この日は興奮しながらも19:30就寝。
 2日、3:00起床。朝食とテントの撤収とトイレを済ませ5:30に笠ヶ岳のキャンプ場を出た。天気は晴れで穂高岳や焼岳、乗鞍岳など有名な山が遠くに見え、とても感動した。 この日は、前日休憩した分岐まで戻り、笠新道の方へ下りるためほぼ下り坂だった。皆家に帰れるからとてもスピードがあるように感じた。 特にHのスピードは途中で顧問の先生からストップがかかる程だった。途中、かなり危ない道が有ったが、ダケカンパなどの植生から森林限界を感じつつ、一気に道路まで出ることができた。 相変わらず夏山の下りはしんどい!その後、道路を歩いて、11:52、新穂高温泉に到着!本当に長かったこの合宿の登山行動が終了した。ちょうどバスが来ていたのですぐにバスに飛び乗り、 温泉も堪能することなく新穂高温泉を去る。そのあと、飛騨高山でバスに乗り換え、名古屋に行きそこから新幹線に乗って、流れ解散した。
 今回の夏山合宿は本当に距離が長かった。一年の部員も本当に良く着いてきてくれたと思う。あいにくの天候で周りはガスばっかりだったが、時たま垣間みられたアルプスの景観は格別に最高だった。 苦しい登山だったが、この合宿を越えて部員の間の絆が大きく深まった気がする。引率して頂いた顧問の先生方、OBの先輩、本当にありがとうございました。

文章:Y

VISITOR