山岳部誌2012夏山合宿
夏山合宿(北アルプス・剣岳)
日程:7月31日〜8月3日
行程:室堂〜雷鳥沢〜剣沢〜一服剣〜剣沢〜雷鳥沢〜室堂
参加者:4名(生徒2人、顧問2人)
重量:一人約25キロ
費用:1人約2万円
7月31日の晩、僕たちは三宮に集合した。今回は参加者が2人だったので荷物の重さがすごかった。
(25kgくらいあった)。OBやもう一人の顧問のI先生、去年まで顧問だったN先生も見送りに来てくれた。
僕は差し入れのアイスを2本も食べてしまってお腹を壊すところだった。OBからのかさばるスナック菓子などの差し入れを受取、ザックにそれを縛り付けて出発した。
大阪駅で「北陸ドリーム大阪1号」という夜行バスに乗った。去年の合宿は4列シートだったが、今年は3列だったので快適だった。
9時間ほどうつらうつらしていると、そこは富山駅だった。7:00だった。だがそこで、ある深刻な事態に気がついた。実は、その日の晩ご飯が親子丼で、卵を使うことになっていたのだが、完璧に包んでいた
(と、思っていた)卵が3コも割れていた。かなりショックだった。
急きょメニューをカレーに変更して、駅前のコンビニでカレールーを買った。
しかし、それ以外何の問題もなく、7:40に室堂行きのバスに乗った。
途中、日本一の称名の滝やとてもでかいスギの木を見た。立山有料道路の通行量が5万円と書いてあって、びっくりした。
そして一気に標高2450メートルの室堂に到着した。
バスを降りると、いきなり気温が20度だった。天気は○(快晴)で、涼しかった。
高いところに来たんだなあと思って、テンションが上がって卵が割れたショックも忘れてしまった。
室堂で準備をして、11:00に出発した。
歩き始めは、観光客ばかりで「登山」という感じではなかったが、雷鳥荘まで来ると、登山客が多くなってきた。
ただ、地獄谷から流れてくる硫化水素がかなりくさかった。
雷鳥坂は、高山病にならないように、とにかくゆっくり歩いた。その分だいぶ楽だった。
雲行きが怪しくなってきたものの、14:00頃に剣御前小屋に到着した。
トイレはチップ制だった。チップ制のトイレは1年ぶりだったので、なんだか懐かしかった。
途中のプチ雪渓で誰かが滑ってしまったが、15:00頃に無事、剣沢キャンプ場に到着した。
ただ携帯の電波が届かないところだったのが残念だった。
幕営は2人だったので大変だったが、何とか立てられた。そして調理を始めた。
ここで、室堂からずっと忘れていた卵のことを思い出して、おそるおそる卵の箱を開けてみた。
しかし、驚いたことに朝割れていた3コ以外は割れていなかった。
全滅するだろうと思っていた卵が7コも余ったので、わかめスープに入れてみることにした。
卵がたくましく頑張ってくれたのを見て嬉しくなった。しかし、ここでハプニングが起こった。
毎回、カレーを作るときは、カレールーが溶けやすいようにルーをナイフで刻んでから入れることになっている。
その時は、僕がルーを刻んでいた。しかし、勢い余って自分の指まで切ってしまった。
料理をしていると良くあることだが、僕はあたふたしてしまっていた。応急処置はしたが、念のため僕は警察の山岳救助隊の人に診てもらった。
山岳救助隊の人はとても親切でかっこよかった。
僕が戻る頃には晩ご飯が出来上がっていた。カレーと卵入りわかめスープだった。
去年の夏山合宿の反省を生かして、工夫して炊いたご飯がかなり美味しかったし、卵入りわかめスープは卵のお陰で普段よりずっと美味しかった。
晩ご飯が終わるとだんだん暗くなってきた。片付けはH先生が手伝って下さったお陰で一瞬で終わってしまった。
そして19:30頃に就寝。ただ、僕はテントの中ではあまり眠れない方なので、やはりうつらうつらしていた。
「もうすぐ起床か」と思っていたときTがなぜかぶるぶる震えていた。
8月2日3:00起床。ここでTが体調不良を訴えた。少し熱があったので剣岳登頂は諦めて、Tには暫く休んでもらうことにした。
K先生にはTを観てもらった。取りあえず、ラーメンをつくった。
水の量が少なくて、パスタのようになってしまった。少しまずかった。
Tにやすんでもらっている間に僕はH先生と一服剣まで行ってみた。
4:25にキャンプ場を出た。途中の雪渓は少しおっかなかった。
歩いていると朝日が出てきて、一緒に目の前に雷鳥も出てきてびっくりした。こんな所で会えるとは思っていなかった。
雷鳥を見るのは1年ぶりだったので、なおさら可愛かった。
剣前山荘で一服して、2つの鎖場を越えて、6:00に一服剣に到着した。
前剣が目の前にそびえ立っていて、なかなかの迫力だった。
前剣で20分ほど休んで、剣前荘に戻った。6:55だった。テント場に向かっていると、
重そうなザックを背負って全速力で剣岳の方に走っていくすごい人とすれ違った。
(後で聞いた話だが、前剣の鎖場で事故があったそうで、そしてその人は山岳救助隊の人だったらしい。)
途中の剣沢小屋で休憩した。ついでに自分のお土産の手ぬぐいを買った。
暫くすると、小屋に物資を運びにヘリコプターが飛んできた。間近で見るとヘリコプターは火なり迫力があった。
8:20、テント場につくとTの調子は大分良くなっていて、熱も引いていた。
暫くして記念写真を撮った。その後、雪渓で冷やしておいたファンタを飲んだ。
やっぱり山の上の炭酸飲料は美味しい。10:00頃、ゆるゆると撤収をして、出発の準備を始めた。
Tのことを考えて、Tの荷物をH先生が持って下さることになった。
11:00、出発。Tはずんずん元気に上っていった。朝の体調不良はどこに行ってしまったのだろうか?
そして、14:35、特に何の問題もなく雷鳥沢キャンプ場に着いた。
早速テントを立てた。地面が固くてペグを打ち込みにくかったが、力任せに打ち込んだ。
(しかしこれが、後で災難を生んでしまった。まあそれは後述するとして。)
そしてその後夕食をつくった。パスタはとても簡単だった。15分くらいでだ来てしまった。
しかもすごく美味しかった。
夕食の後、温泉に入った。とても気持ち良かったし、温泉からの景色も綺麗だった。
あと、お風呂上がりのアイスはとても美味しかった。次の日は室堂まで一時間歩くだけだったので、9:00くらいまで遊んだ。
そして寝た。珍しく僕はぐっすり眠ることができた。
8月3日、5:00起床。にゅうめんを食べて撤収にかかる。しかしここで試練が立ちふさがる。
「ペグが抜けない」のだ。昨日、力任せに打ち込んだのがいけなかった。
12本抜くのに30分くらいかかった。救出されたペグの中には力任せに抜いたために曲がってしまったものもあった。
ばたばたと出発準備をして、6:45に出発した。また地獄谷の硫化水素がくさかったが、7:25に室堂について、8:00のバスで室堂を去った。
バスの中で、雷鳥を見つけた(TV越しに)。美女平という所でケーブルカーに乗り換えた。
僕は生まれて初めて乗ったので、テンションが高くなった。立山駅で富山地方鉄道という超ローカル鉄道に乗り換えて、
JR富山駅でお土産を買いあさり、16:30には神戸に到着した。
今回の合宿は、怪我をしたり風邪を引いたりと色々反省するところがあったけど、
去年の夏山合宿を比べると、のんびりしていてある意味登山の楽しみを存分に味わえたのが良かった。
今回の様に、余裕を持って登山をするのも大切だと言うことがわかって良かった。