山岳部誌2014夏山合宿
夏山合宿in立山山系(立山三山、奥大日岳)
兵庫県立兵庫高校 山岳部
日程 平成25年7月31(木)?8月3日(日) 二泊四日
参加者 五名(一年男子2人、一年女子1人、顧問2人)
費用 一人当たり20,000円
コース 雷鳥沢キャンプ場を拠点にサブザック行動
重量 それぞれ27.5kg、24kg、18kg
皆さんは立山をご存知ですか?中部山岳国立公園の中心に位置し、その山脈の最高峰は3015m、その地形から、山麓にはライチョウを始め、数々の貴重な動植物が生息しています。
申し遅れましたが、私たち兵庫高校山岳部は部員3人と少数です。日々、これを精鋭となるように練習を重ねております。
部員が足りず、総体にも欠員で参加し、部員を求めていかにに集めるかを思案する毎日でごさいます。普段は六甲山系の高取山でトレーニングし、
今回は活動の一環として夏山合宿で立山を登山しました。今年は全員一年生ということも有り、比較的緩んだプログラムを組みました。
7/31の夜、私たちはJR大阪駅に集合し、全員送れずに集合。OBの方が差し入れを持って見送りに来ていただき、兵庫高校の人脈と部活を思う気持ちを感じました。
夜行バスに乗車しました。ホッとしたもつかの間、私たちの壮大な合宿が始動しました。
新しい月を迎えた8/1、バスを降りると、そこは富山の地。少しひんやりとしていて朝の清々しさを感じました。
そこで室堂直通のバスに乗り換え、立山を目指しました。
室堂バスターミナルで水を汲む。山の水は非常に冷たく、爽快でした。
やはりどのお店で売っている飲料よりも、美味く感じるのは私だけでしょうか。程よく空気と混ざった水はまろやかさを生み、心地よく喉を流れていきました。
景色を楽しむ時間もわずかで、普段の歩荷では経験しないような重い荷物を担ぎ、雷鳥沢キャンプ場にむかって歩き続けて到着と同時に幕営。
鉄の塊のようなザックはやはり重そうで、来年の新入部員を恋しく思いました。そして準備が出来次第奥大日岳へ出発。高山植物に仲間と会話を弾ませ、冷気と広がる景色に心を踊らせて歩みました。何度か先生に隊行動を守るように注意されつつ、ゆく道を進めて行きました。幕営地に帰還直後、体調の異変を訴える部員が発生。様子をみて医療係の方を呼び、診断していただきました。結果は高山病ではなく寝不足が原因のだるさだと聞き、私たち一同はホッと一息。夕食は手早にスパゲッティ。テントで寝込んでいる部員に気をとめつつ、山での食事を楽しみました。この日は珍しく快晴で、山の稜線がはっきりと見られ、皆で撮影会を楽しみました。山陰に沈んでいく夕日も、何処か心にしみるものがありました。夜は満天の星空の下、紅茶と共にダイヤモンドゲームを楽しみ、この日を終了しました。
夜の気温は放射冷却の影響で真夏にもかかわらず9℃。しかしシュラフは実に暖かい。その包容力に感動した。
8/2、私たちはコールドドック(ホットドックの逆です)を食べる。手早で作られ、ボリュームもあるのでオススメ。
そのあと、部員の体調の回復の知らせを聞き安心しましたが、その日一日は安静を指示され、部員2人と顧問の3人で登ることに。
一ノ越に向かう途中、先生から滑落事故から話を聞き、山の危険を再確認。美しい姿をしている立山も、時には牙を向くことがあり、
綿密な計画書を作っておいて正解だと思います。一ノ越からは小学生の集団に道を阻まれつつ、ゆっくりと一歩一歩踏みしめながら進んで行きました。
雄山に登頂後、山稜の両側には雪渓が。眼科にはU字渓谷と室堂平が広がり、まさに鳥になったよう。少休憩後、その足であるき始めると、
また先生から歩く速さで一喝。緩んだ心が引き締まりました。
富士の折立を通過したあたりから右方に黒部ダムが見られました。
大規模な雪渓を横目に流して真砂岳とそそりたった乗越を2つ通過し、立山三山最後の高峰である別山に登頂し、ついにこの日の目標は達成。
私たちはまだ余力があったので、別山北峰も制覇。ガスが多かったのですが、前方には剱岳が。その針山のような雄々しい姿にしばし見とれてしまいました。
映画『剱岳』をみたことがある私は、登頂に挑戦している姿を想像して、アルピニズムを感じました。下山途中で、本来は葛折であるはずの登山道で半分崩れているのを見つけ、
道に気をつけながら歩きました。私たち登山者が山の形を少しずつ変えてゆくことも考え、ルートを守って歩く。この日は一時間早く帰ってきました。いくらか回復した部員を見て、
休息。そして3時ごろから雷雨が。電波が届く雷鳥沢で天気図を確認し、雨が落ち着いた合間を縫ってカレーライスを作りました。
就寝準備が終わって、私たち部員だけでテント内で昨日に引き続きダイヤモンドゲーム二回戦。3000m級の山々の行程を反省し、あと一日という寂しさの中、就寝しました。
8/3、最終日の朝、前日のように狭いテントの中で慌ただしく片付け。そして朝はにゅうめん。寒さを感じつつも、お腹いっぱい食べ、雷鳥沢キャンプ場を後にしました。
往路と同じように重い荷物を背負い、バス、ケーブル、電車と乗り継ぎを重ね、JR富山駅まで帰ってきました。そこにはいつもと変わらぬ夏のうだるような空気が。
長袖で居た私はなおさら下界の気だるさを感じました。
帰りは特急サンダーバード。車内でこの日4日間を振り返り、山岳部誌を読む人、疲れのまま寝入る人、窓から景色をながめるひと。
それぞれが最後まで時間を有効につかったとおもいます。
今回の合宿で、私たちは先生方に多大なご迷惑をおかけしました。それだけ、力が不足しているのです。まだまだ先は長いです。
次の大きな行事に向けて、より強化できるように練習に励みたいと思います。日程も私たちの私情で一日短縮しました。
日程に余裕が無かったために高山病を起こす危険がある高地まで短時間で上ってしまいました。そのために、体調を崩す人がでてしまい、申し訳ないと思っています。
高地を経験するのにはもっと練習を積まなければならないと実感しました。来年度は無理のない計画を立てるとともに、日頃のトレーニングを怠らない、
期間中は十分に睡眠をとるなど、できる限りの予防に努めたいです。