新・大堀鏡その10
革靴で山を登った男の話。
クラスアワーで「バナナ鬼」なる遊びをしたある日のこと、僕たちはいつものように歩荷へ出かけた。
しらたき、まっさんは持久走をしたそうで、西南門前の坂に悲鳴を上げている。悲鳴を上げながら高取神社に到着。
キンキンに冷えたベンチに座って休憩していると、デンジャー側から黒づくめの男。と言っても、黒いロングコートを着て革靴を履いているだけである。…革靴?
その男性によると、禅昌寺から家に帰ろうと山道を登っていくと、いつの間にかここにたどり着いた、という風な話だった、気がする。今考えてみると謎が多いが、その時は受け入れた。
「ここからの景色は最高やなぁ!」の言葉に、高取山の魅力を再発見。
そこに高取のおっちゃん。いつも(長い)昔話を聞かせてくれるおっちゃんである。2人の会話の中で、男性の家は高取さんのふもとにあるということが判明し、清水茶屋まで送ることに。話をしながら清水茶屋に到着。
「今日はどうもありがとう!」と男性。「さようなら!」と僕たち。
今日は素敵な出会いがあって、面白い一日だったなぁ!
時計を見るとギリギリの時間。めっちゃ走って帰った。
文章:69thがっきー