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新・大堀鏡その2


2015年7月26日

ロゴジェネレーター


 くっそあつい。特にここ一週間はずっとそうだ。梅雨が明け、抜けるような青い空、容赦なく照りつける太陽光。雄大な入道雲が夏の厳しさを想起させる。 時すでに白昼。この猛暑の中で歩荷は確実に死を意味するだろう。 そう思いながら、僕は1人部室でだらだらしていた。
 ひまだなあー。高校生にとっての禁句が早くも飛び出す。何を言っているんだ。夏休みの宿題なんて1つも手に付けていないクセに、、、、。 僕は漫画を読み始めた。「岳」だ。三歩はこの暑い中でも元気に飛び出していくんだろうなぁ。羨ましい限りです。 目の前に広がる三歩の躍動とアルプス山脈の峰々。早く夏山合宿にいって、涼みたいなあ。率直な感想だった。
 そして無意識に携帯を手に取る右手。電源を入れる左手。 そういや、体育祭も近い。学級旗デザインでも考えるとするか。
 インターネットは便利なもので、「学級旗デザイン」と検索すると何千もヒットする。 僕はそれをただただ眺めていた。
 そこに人現れたのが、某飲食店の企業ロゴ。 ふと自分でロゴをつくりたいと思った。何の根拠もなく。
 特に意図したわけでもないが、僕は山岳部のロゴをつくりまくった。












 あーあ、今日も無駄な一日を過ごしてしまった。降り注ぐ日光はすでに夕日に変わり、斜陽となってやはり容赦なく照りつける。 こんな調子でいいのだろうか。夏休みはまだまだ序盤。これからもっと気温が上がり、形有る物全てを溶かしてしまうだろう。
 通学路の坂道を1人とぼとぼ帰る。 その背中に高校生特有の「青春」の文字はどこにもなく、縁が無いようだった。


※これはフィクションです。



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