新・大堀鏡その5
山岳部の日常
久しぶりの高取山での歩荷である。はっしー先輩としらたきは20kg、まさは17.5kg、むーさんは15kgといった荷物を背負っていた。
「新しい道開拓する?」とはっしー先輩。それを聞いて「それは肩がもたないです。」としらたき。かつて歩荷キングというあだ名をつけられそうだったしらたきにも20kgは重いらしい。むーさんは15kgで道すがら吐くかと思った。
頂上にて。しらたきが言う。「まさー、荷物持ってー。」しらたきのザックに入っていた2.5kgのおもりと1.25kgのおもりがまさに渡された。まさが承諾するかしないかのうちに。むーさんは何だかまさが少々気の毒に思えたのでおもりを片方引き取ることにした。ちゃっかり軽い方である。手伝いはするが重い方を持つ気はさらさら無いという…「なんかナゾなことなってない?しらたきの荷物を俺が持って、しらたきより俺の方が荷物重くなるって…」とまさはぼやいていた。
はっしー先輩としらたきが1.2分早く部室についた。残り二人が部室に帰ってくると、しらたきがなんか言っている。「先輩がここからiPhone落とした」
落ちたiPhoneをとりに行ったのだろう。確かにはっしー先輩の姿がない。程なくしてはっしー先輩が戻ってきた。「無傷!山育ちのiPhoneは違うわ〜。」はっしー先輩のコメントである。「山で鍛えられてるから…」山育ちって…鍛えられてるって…取り敢えずはっしー先輩のiPhoneが無事でめでたしめでたしであった。
文章:むーさん